最近気付いたこと [001]

学割が効くので、Apple Musicのサブスクを長いこと使っています。馴染みのある曲を聴くのも良いけれど、オススメ機能的なものを使って知らない音楽に触れるのも、結構楽しいです。最近はダンスミュージック(とくにインスト)が作業用BGMに適していることに気付いて、色々なプレイリストを探してみたりしています。

[最近見つけたいい感じのプレイリスト]

しかし、ちょっと思うのは、いったい「ハウス」とか「EDM」みたいな音楽のジャンル名は何を指すんだろう、ということです。ネットで適当に調べてみると、まずジャンルごとに起源となる地域や年代が違うと。そしてBPMや使用楽器も異なるらしいです。なるほど一つ賢くなれたなと思ったのも束の間、区分が多すぎてもう忘れてしまっています。

音楽評みたいなのを見ると、「これはプログレッシブ・ハウスの名曲で、4つ打ちが云々~」と詳細な説明がなされていたりします。一方自分は「なんかこの曲の雰囲気好きだなあ」くらいの感覚でしか音楽を聴けていなくて、たまにそのことが微妙に恥ずかしくなったりします。まあ音楽に聴く資格もなにもないので、別にダメなことではないとは思うんですが。

ところで、これに近い現象を別のモノで体験していることに気付きました。コーヒーです。

近所に小さいけれど結構ちゃんとした感じのコーヒー屋があり、数年前に存在を知って以来たまに行くようになりました。通っているうちに、どんな感じの味・香りが好きかとかはだんだん分かってきたんですが、悩ましいことに、未だに「これはちょっと苦い感じでおいしい」程度の感想しかコーヒーに対して抱くことができません。「スパイシーな」とか「ワインのような」みたいに説明されることはあるけれど、まあ言われてみればそんな気はせんでもない、くらいで、自分からその言葉を紡ぎ出すことは全くないわけです。これは、音楽をうまく分類できないのと似ている気がします。

味について細かく評価できる人のことを「舌が肥えている」みたいに言うことがあるし、音楽の場合なら「耳が肥えている」ということになると思うんですが、これは知覚そのものの繊細さの問題なんでしょうか。なんというか、個々の人間の感覚器官に、そこまで大きなバラつきはないような気がします。知覚している生のデータ自体に大した差はなくて、データに反応して使うことができる言語表現の繊細さに違いがある、と考えたほうが、なんだかしっくりきます。ハードウェアは量産型だけど、それぞれ乗っかっているソフトウェアが違う、みたいな感じでしょうか。